大阪高等裁判所 平成5年(行コ)10号 判決 1993年9月26日
大阪市住之江区西住之江二丁目一一番一三号
控訴人
中条照子
同市住吉区住吉二丁目一六番三七号
被控訴人
住吉税務署長 宇都宮永吉
右指定代理人
川口泰司
同
武田優
同
小山久雄
同
関山輝
同
角佳樹
主文
一 本件控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第一申立て
一 控訴人ら
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人が平成三年五月二三日付でした控訴人の平成元年分所得税の更正処分のうち納付すべき税額六九五〇万六五〇〇円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分をいずれも取り消す。
3 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
第二事案の概要
次のとおり付加、訂正するほかは、原判決「事実及び理由」の「第二事案の概要」欄に記載のとおりであるから、これを引用する。
一 原判決二枚目表四行目の「元年中に、」の次に「いずれも特定市街化区域にある」を、同五行目「売却した」の次に「(本件各土地が当時、特定市街化区域にあったことは当事者間に争いがない)」をそれぞれ加える。
二 同二枚目裏七行目の「別表2」の次に「(但し、原判決添付のものを本判決添付のものに改める)」を加える。
三 同二枚目裏八行目の「記載して」の次に「(但し、括弧書きの部分を除く。)」を加える。
四 同三枚目表六行目の「これから」から同八行目の「ではない」までを「それに基づいて分離長期譲渡所得金額を算出すると三億一三五七万九八四一円、課税分離長期譲渡所得金額を算出すると三億一三五七万九〇〇〇円となり、別表2の『更正処分等』欄記載の課税分離長期譲渡所得金額三億一三一〇万八〇〇〇円はこれを下回るものである。」と改める。
五 同三枚目裏七行目の「各土地」の次に「の地目は畑及び田であり、当時実際に耕作はしていなかったものの、しようと思えばいつでも耕作できる農地であったので、特定市街化区域農地等に該当するものであった。したがって、」を、四枚目表二行目の「被告は、」の次に「本件土地は譲渡当時、他に賃貸されて建物附属のガレージとして使用され、固定資産課税台帳上も宅地として記載されていたものであって、現況非農地であったことは明らかであるとして、」をそれぞれ加える。
第三争点に対する判断
次のとおり付加、訂正するほかは、原判決「事実及び理由」の「第三争点に対する判断」欄に記載のとおりであるから、これを引用する。
一 原判決七枚目表八行目の「それは」の次に「別の土地の譲渡について措置法三一条の三が誤って適用されたというよりほかはないのであって」を加える。
二 同七枚目表一一行目の「右(2)」から同裏一行目の「ならず、」までを「右(2)については、そのような証明書が発行されていることは当事者間に争いのないところ、この証明書が直接現況を調査しないまま作成されたものであることは原告の自ら認めるところであり、それがどのような資料、根拠に基づいて作成されたものであるかも不明であるから、区長作成の文書ではあってもそれのみによって当時本件土地の現況が農地であったことを認めることはできないというべきであるばかりでなく、」と改める。
三 同七枚目裏一行目の「があり」を「があることに照らすと(なお、原告は、この記載は農地でないことを示すものではないと主張するが、『現況宅地』が当該土地の客観的状況が宅地であることを表わすものであることは明らかであるから、右主張は到底採用することができない)。」と改める。
四 同七枚目裏四行目の「あるが」の次に「(同条の三第一項参照)」を加える。
第四 以上の次第で、控訴人の本件控訴は理由がないので棄却することとし、控訴費用の負担につき民訴訟九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 藤原弘道 裁判官 白井博文 裁判官 楠木新)
別紙
支払利息、貸倒損失、雑費の明細
<省略>
差引所得金額
<省略>
別表2
原告の平成元年分の課税の経過及びその内容
<省略>